加藤の研究日記(2011年)
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2011/12/29(木) 今朝、ポドプラニン関連の論文のリバイスを投稿しました。こちらの論文も、今回こそはアクセプトされると信じて(願って)います。 2011/12/28(水) 今日は、大学の仕事納めです。隣りの解剖学も、大掃除をしています。我々はスタッフ3名の小さいラボですので、通常通り働いています。仕事納めといきたいところですが、リバイス実験などを行っており、このまま正月に突入です。 今年一年を振り返ると、あまりにも多くの出来事があり、総括も難しいほどです。3.11の震災、4.1の息子の発病、7.11の組織再編など、激動の1年でした。ラボは無事に2年目を終えようとしています。1年目に立ち上げ、2年目には研究費も獲得し、それなりにデータも出始めました。共同研究も進みました。その成果は、3年目に続々と発表していきます。わずか3年間の任期ですので、まとまった結果を出すのは難しいですが、ほぼ予定とおり順調に進んでいると思います。 今年は多くの先生方に支えられた1年でした。あらためて感謝申し上げます。来年もよろしくお願い致します。 2011/12/24(土) HMab-1、RMab-3の論文のリバイスを投稿しました。reviewerの要求には応えられていると思いますので、良い結果を期待しています。 最近樹立した新規抗体9種類(標的は同じだがエピトープが全く異なる)の精製も進んでいます。これらの抗体を使った一連の実験結果も楽しみです。 2011/12/9(金) 今日は仙台に出張に来ています。今年最後の出張です。今日は40分の招待講演を行いましたが、その後の懇親会では多くの先生方に声をかけて頂き、人脈が増えました。共同研究の相談もいろいろとあり、興味深い提案をいろいろと頂きました。また、抗体作製に理解のある先生方が多いことにも驚きました。 2011/12/5(月) 新規抗体のクローニングに成功しました。今回は96コロニーを拾って、わずか1個という低い確率です。これでこのシリーズのハイブリドーマ9種類がすべてクローンになりました。新規抗体のエピトープは非常に特徴的であり、世界に前例のない抗体です。 2011/11/22(火) 少し早いですが、今日はラボの忘年会です。 2011/11/19(土) 出張後に細胞を見ると、すべて元気に増えていました。そのため、久しぶりに深夜まで細胞の世話をしていました。夜中の1時ぐらいまで細胞培養をしていたのは、かなり久しぶりです。 最近のハイブリドーマは、すぐに通常培地に馴化してくれるので、管理が楽です。<新規抗体>も馴化が終わり、大量培養に入っています。<新規抗体>の精製も順調に進みました。これらの精製抗体がすべて揃ったのちに、免疫沈降などを一気に行い、エピトープの検索を行いたいと思っています。今回のシリーズは、この10年の抗体作製の中で、最も興味深いものです。早く発表したいと焦りますが、じっくりとデータを蓄積したいと思っています。 ハイブリドーマが精製まで順調に進むかどうか、これは、やはり最初のfusion(ミエローマ細胞と脾細胞の細胞融合)にかかっています。ここ最近の数十匹のfusionをすべて大学院生の辻本先生がやってくれていますが、安定した技術を身につけてもらったと思っています。 2011/11/16(水) 今日は、久しぶりの東京に来ています。産総研時代のNEDOプロジェクトで行った研究の発表です。20年続いたNEDOの糖鎖プロジェクトも終了することとなり、寂しさを感じます。私が関わったのは、最後の2年間だけですが、糖鎖研究はこれからという時に、国の方針で糖鎖研究に予算が出ないのは残念です。世界の状況を見ると、アメリカだけでなく、中国などのアジア各国も、大きな予算が糖鎖研究についているようです。せっかくの日本発の糖鎖研究が、これで世界から取り残されるのではないでしょうか。 とは言っても、我々は大型プロジェクトから予算をもらっているわけではなく、科研費を頂いて地道に研究している立場です。少ない予算で最大限の結果を出したいと思います。 2011/11/14(月) <新規抗体>のクローニングに成功しました。両抗体共に、新規のエピトープを認識します。 2011/11/11(金) <新規抗体>の精製が順調に進んでいます。<新規抗体>の培養もP7まで進み、精製に入ります。また、現在クローニングしている新規抗体がとても興味深い反応性を示しています。いよいよ、待ち望んでいた抗体が取れてきました。 2011/11/6(日) YM-2の精製を続けていましたが、500mlの培養から合計9mg程度取れました。よって、約18ug/mlの濃度で培養液中に出ていたことになります。収量としてはRMab-22の次に多い記録となりました。一晩、PBSで透析し、あとは1mg/mlに濃度を合わせて終了です。次は、<新規抗体>の精製に入ります。 RMab-3 (anti-IDH1抗体)のハイブリドーマの調子が悪く、先日、例の方法でハイブリドーマの賦活化を行いました。現在、P5まで増えていますので、何とか精製まで進みそうです。ただ、1xHTに依存性になっているようで、しばらくはHTを必要としそうです。 2011/11/1(火) <新規抗体>候補のクローンにより、FACSの反応性が確認されました。正式に<新規抗体>の樹立です。この抗体の反応性も興味深いもので、新たな展開が期待できそうです。 2011/10/31(月) 今日で10月も終わり。あと今年も2ヶ月です。 今日は、<新規抗体>候補のクローニングアッセイを行い、クローンが樹立できました。念のため、FACSの再現性を確認してから、正式に<新規抗体>と命名します。 また、平行して進めているタグ抗体のひとつ(FLAG抗体)のスクリーニングも開始しました。FLAGタグは良いタグですが、とにかく、抗体が高いのが問題です。今日のスクリーニングでは高反応性のwellが3つありましたので、これをWBでチェックします。これが樹立できれば、また、手持ちのタグ抗体が増えます。 2011/10/29(土) <新規抗体>まですべてPassage-8以上になり、コスタリカ産FBSでも順調に増えています。<新規抗体>は抗体精製のために大量培養に入りました。とても有望な抗体です。<新規抗体>候補もクローニングが順調です。今回から、ClonaCellを6cm dishで5mlだけ使用してみましたが、100個のコロニーをしっかり拾えました。ClonaCell5mlにconfluentの細胞5ulを混ぜると丁度良い濃度になります。ClonaCellはとても高い(値引きしてもらって77,000円/90ml;1クローン樹立に5,000円)のですが、短時間で確実にクローン化できるため、手放せません。クローニングメディウムを使って、96 well plate 2枚でlimiting dilution(40ml使用)をすると、およそ3,000円かかりますので、効率を考えるとやはりClonaCellを使いたいところです。 1年生の生化学の授業(10コマ)が終わり、来週からは研究に専念できます。今年もあと2ヶ月。何とか良い結果を出さなくてはいけません。 2011/10/28(金) RMab-22の精製がようやく終了しました。1Lの培養から、何と32mg取れました。すなわち、32ug/mlの濃度だったことになります。1mgの精製抗体が必要な場合は、30mlの培養で済むことになりますので、素晴らしい効率です。今後もこのようなハイブリドーマを取っていきたいと思います。 辻本先生がこつこつとCHO/NZ-8の培養を続け、合計8Lから4mgの精製抗体を取得しました。これはヒトキメラ型抗ポドプラニン抗体で、今後の臨床応用へ向けた大切なステップとなります。 2011/10/25(火) RMab-22の精製がまだ続いています。ようやく、一回のカラム操作の収量が1mgを下回りました。そろそろ終わりが見えてきました。結果的には、1mg程度の精製するためには、50ml程度を培養すれば良かったことになります。 <新規抗体>のWBで興味深い結果が得られました。これまでにないバンドのパターンが検出されてきました。久しぶりのヒット抗体です。 2011/10/19(水) RMab-22の精製の続きで、今日も3mg程度取得。これで合計22mg程度。Protein G を増やすべきところですが、予算の関係上、これを続けるしかありません。いずれにしても、たくさん取れるのは良いことです。 <新規抗体>のサブクラスはIgG1と判明。 最近購入した、SBA (SouthernBiotech; 代理店はコスモバイオ)のサブクラス特異的抗体はとても良いです。ちなみに、その前に購入したサンタクルーズのサブクラス特異的抗体は、すべてのサブクラスにクロスしてしまい、これでは単なる二次抗体です。それぞれのサブクラスの抗体を免疫しただけで、吸収を全くかけていないようです。 SouthernBiotech http://SouthernBiotech.com/ 2011/10/18(火) RMab-22の精製の続きで、今日も3mg程度取得。これで合計19mg。さらにもう一回カラムにかける。 本日、<新規抗体>のクローン化成功。FACSで良い反応性が確認されました。 2011/10/17(月) RMab-22の精製をあと二回追加しましたが、まだ取れそうなので、今晩、もう一回カラムにかけています。これで、1Lから合計16mg程度取れています。すばらしい産生量です。 2011/10/15(土) <新規抗体> (IgG, κ)のクローニング成功。 RMab-22の精製をさらに二回繰り返しましたが、一回目では5mg程度、二回目でも3mg程度取れ、これで合計13mg(1Lの培養由来)となりました。まだ取れそうなので、再度、カラムにかけています。1mgのProteinGを使っていますが、mouse IgG2bに対しては、5mg/1ml gelが限界の吸着量のようです。これまでのハイブリドーマの抗体産生量の中では、かなり多い方です。 2011/10/14(金) 生化学の講義も6コマ目までが終わり、残り4コマとなりました。半分を過ぎると、少し気分は楽になります。研究と違って終わりが見えますので、なおさら気分的には楽です。 RMab-22 (YM-27)の精製も順調です。1L培養から5mg程度精製できましたので、収量としては多い方だと思います。 2011/10/10(月;体育の日) この週末に、今週の4コマ分(合計400分)の生化学授業の資料を作りました。さすがに、すごい量です。 また、<新規抗体>の凍結保存まで終わり、<新規抗体>まで進んでいます。あと一回passageできれば、抗体精製に入りたいと思っています。 <新規抗体>類似の抗体5種類についても、ClonaCellでのコロニーが出現してきました。こちらも順調です。 2011/10/09(日) 先週から生化学の授業も始まり、慌ただしくなってきました。 <新規抗体>の増殖も順調です。途中で少し増殖が悪くなり、やはり、コスタリカ産のFBS(ジェイメディカルから購入)はあまり良くないようです。CHOなどの増殖には問題がありませんので、コスタリカ産は大量培養専用に使います。ハイブリドーマ用にはGIBCOのロットを使うことで今後は統一します。 <新規抗体>と同じシリーズの抗体が追加で5種類取れました。セカンドスクリーニングのFACSで良い反応性です。これからクローニングでどれだけ残ってくるかが勝負です。 IDH1関連はまだ苦労しています。この2年間で世界から続報がありませんので、世界のIDH1研究に携わる研究者も苦労しているのだと思います。 2011/10/02(日) <新規抗体>の増殖は順調です(現在P2)。全く問題なくクローンが増殖し、fusionからの一連の行程がすべて順調に進んでいます。RMab-22(YM-27)の開発も順調で、一ヶ月以内にMBLから販売される予定です。 R172Kに対する特異的抗体について、mixtureの段階では特異的抗体があるのですが、ハイブリドーマのクローン化がうまくいきません。再度、凍結してあったmixtureのハイブリドーマを今日起こしました。2日後に培養上清を調べ、まだ抗体が残っているようであれば、もう一度クローニングを試みます。同じクローニング法ではうまくいきませんので、RMab-22の樹立に使った”技”を再び試します。このような特異的抗体の出現頻度はかなり少ないため、少しでも分泌しているハイブリドーマが残っていれば、何とかしてクローン化しなければなりません。 2011/9/28(水) 理研のセミナーに講師として招待されました。今年度初めての出張です。 http://www.chembio.riken.jp/ja/2011-02-10-06-57-47 http://www.chembio.riken.jp/images/stories/docs/seminar32.pdf さすが、理研。セミナーには80名程が参加されていました。その中には、谷口直之先生の姿も。谷口先生は、発表後に質問もしてくださいました。嬉しいことです。 2011/9/27(火) <新規抗体>の樹立に成功しました。久しぶりのクローン樹立です。今回は、細胞を免疫し、精製蛋白質でクローニングするという方法を取りましたが、新しいストラテジーが確立できました。 2011/9/21(水) すべてのfusionの結果は良好です。最近は、ELISAによるfirst screeningで、10個程のpositive wellが選択でき、24 well plateに植え継いだ後もハイブリドーマが順調で、ようやく系が安定してきました。あとは、新規抗体を樹立することに集中するだけです。ストラテジーさえ正しければ、あとは確率論的な話になりますので、とにかく根性でスクリーニングを続けることです。 2011/9/16 (金) 今日は、ある抗原に対するセカンドスクリーニングを行いました。細胞膜の分子なので、FACSで判定しました。その結果、3つの抗体が非常に興味深い反応を示しました。久しぶりのpositive dataなので感動的です。明日は土曜日ですが、ベビーシッターをお願いして、この再現性を取ります。再現性が出れば、いよいよクローニングです。今回の抗原は、我々の研究テーマのトップに来るものですので、これが軌道に乗ることを祈っています。この研究テーマについては、しばらく秘密です。 IDH1/2のテーマ(これについては世界にopenです)の方も、今日はひとつの抗体がELISAで取れてきました。これがWBやIHCで使えることを願っています。気が早いですが、この抗体については、クローニングに入りました。これが有用な抗体であれば、この分野では世界で独走状態です。 2011/9/14 (水) ここ4回のfuisionをすべて大学院生の辻本先生が行っていますが、すべて成功しています。とても安定してきました。良い抗体を取るためには、fusionの効率を上げることが必須となります。辻本先生がfusionを行い、スクリーニングを加藤、セカンドスクリーニングおよびWBの評価を金子が行うという良い流れができてきました。もちろん、毎日の掃除や洗い物をしてくれる斉藤さん、PBSやwashing bufferなどを作ってくれる学生さんたちがいてこそ、我々の仕事がスムーズに進んでいるということは言うまでもありません。今年もあと3ヶ月半しかありません。何とか成果に繋げたいと思っています。 山形に来てから、抗体の分譲を随時行っています。その成果が出始めました。これまでに、IMab-1を使ってもらった論文が2報、HMab-1を使ってもらった論文が1報アクセプトされています。そのうち、2報は共著になっています。さらに2報ほど、共著で投稿中となっているようです。このような苦しい状態の時こそ、共同研究者の先生方の頑張りに励まされます。ポドプラニン関連では、近々、共著の論文が2報ほど投稿されます。そのうちのひとつは、NZ-1抗体に関する重要な報告です。すでに特許では公開していますが、今後の臨床応用に向けての第一歩となります。 2011/9/9(金) 息子が自宅療養になりましたので、平常通りに働いています。 RMab-22(anti-IDH2抗体)のハイブリドーマも無事に増えるようになりました。市販の抗体と比べると感度も特異度も高いので、とても有用な抗体です。近日MBLから販売となる予定です。 ここ3回のfusionも順調です。ミエローマの培養に使う培地のFBSのロットを変えたこと、ミエローマを昔のロットに変えたことが効いたようです。ミエローマは順調に増えているようでも、目に見えない種々の変化によって、fusionやfusion後のハイブリドーマの状態に大きな影響を与えます。本当に繊細な実験です。今回のシリーズで、論文になるような良い抗体を樹立したいと意気込んでいます。 2011/8/30(火) 次男の蛋白尿が出てしまいました。今日から、<次男の闘病日記>を別の項目にします。 研究日記もしばらくお休みします。 2011/8/26(金) NZ-1抗体の特許はすでにWIPOから公開となっていますが、日本の特許庁が管理する<特許電子図書館>の検索では、この特許が出てこないため、担当の弁理士の先生にこの件を問い合わせました。以下のように教えて頂きました。 「ご質問の件ですが、この特許の出願はPCT出願の国際段階というステージにありますので、日本の特許庁ではなく、WIPOに係属していることになります。公報の公開もWIPOの国際事務局が行っていますので、WIPOのウェブサイトでしか検索できません。 この後、最初の出願日(2009年9月30日)から30ヶ月以内に、権利化を希望する国を選択し、選択した国の特許庁に翻訳文等の書類を提出して、PCT出願を各国の国内段階に移行する手続を行います。この後、出願は各国の特許庁に係属することになり、それぞれの言語で公開されます。 日本の特許庁は、移行後数ヶ月程度で再公表公報と呼ばれる公報を発行します。再公表公報が発行され次第、特許電子図書館で検索できます。再公表公報の発行時期は、あまり一定しておりませんが、特許電子図書館で検索できるようになるのは、2012年の後半ではないかと思います。 」 このように、特許のシステムは素人にはとても難しく、毎回勉強になります。研究者も特許の知識がないと、今後の自由な研究ができないような時代が来ると言われています。私もポドプラニンの特許をモデルケースとしては、今後も特許の勉強を続けていきたいと思います。 大学院生の辻本先生の頑張りで、心配していたfusionもうまくいきはじめました。ミエローマを新しいロットにしたこと、wellあたりの細胞数を調整し直したこと、培地を新しく調整したことなどが改善のポイントだと思いますが、何よりも実験者の継続的な努力の成果だと思います。 2011/8/13(土) 最近のfusionにおいて、ハイブリドーマの調子が悪くなる傾向があります。この解決策として、まずは、HATメディウムを新しく調整しました。HATメディウムはエスクロンのクローニングメディウムを使っていますが、これも3ヶ月程すると、少し活性が落ちるようです。今回の改善策により、fusionから10日目を迎えるプレートのハイブリドーマの調子が良くなっているように見えます。月曜日(15日;12日目)がスクリーニングの良いタイミングです。抗体作製のお盆休みはありません。ハイブリドーマはすべて大学院生の辻本先生が作製しており、今や、ラボの必須の人材となっています。 細かいことではありますが、培養スペースのUV照射を再開しました。特に、毎朝、委実さんに掃除をしてもらっていますが、その後に照射することにしました。その時間を十分に取るため、委実さんには一時間早く出勤してもらっています。とても助かります。 2011/8/11(木) 最近のfusionにおいて、ハイブリドーマのコロニーができるものの、24 well plateに植え継いだ後に増殖が悪くなるという現象がおきています。原因をすぐに見つけなければなりません。特に培地中の増殖因子や、スクリーニングに必要なHATの安定性が悪いこともあり、これらの試薬を調整しなおして、経過を見ていきます。RMab-22(anti-IDH2)もクローニングまで終了しましたが、凍結解凍後の細胞の調子が悪いようです。これもMBLからの販売が予定されていることもあり、いろんな方法でレスキューをしていきます。まずは、HATからHTへの馴化がうまくいっていない可能性があり、もう一度HATから培養しなおし、HTに少しずつ馴化させます。あとは、クローニングメディウム依存性になっている場合があり、クローニングメディウムから通常培地にすぐに変更せず、徐々に馴化させていく必要がある場合もあります。それでも安定性が悪い場合は、”極秘技”を用いてハイブリドーマを強くします。これまで、NZ-1やIMab-1は”極秘技”を使って樹立まで成功しています。 2011/8/8(月) 先週の金曜日に、福岡歯科大学の沢先生にご講演に来て頂きました。沢先生の科研費の分担研究者に入れて頂いており、素晴らしいご研究に加えて頂き感謝しております。今回は、大学院講義のレベルでお話頂き、リンパ管の基本構造や機能から、最新のご研究内容までご講演頂きました。沢先生のご了解を頂き、ビデオに収録していますので、ご興味のある方はいつでもラボに来て下さい。少しでも沢先生のプロジェクトに貢献できるようにがんばりたいと思っています。 2011/8/1(月) 8月になりました。仕事にも無事復帰しました。周囲の先生方にはご心配をおかけし、申し訳ございませんでした。 今年もあと5ヶ月。最近は、心が踊るような結果が出ていませんので、この辺りで良い結果を出したいものです。 2011/7/25(月) 大学院生の辻本先生は、最近fusionのプロとして大活躍です。これまでのfusionはすべて成功しています。この調子で学位を取って頂きたいと思っています。これまで、IDH2を認識する良い抗体がありませんでしたが、本日、WBでIDH2を認識する抗体(YM-27; RMab-22)が樹立されました。このラボでは、SMab-1, HMab-1, RMab-3に続いて4個目です。 2011/7/19(火) 息子の回復も順調、ラボの実験も順調、すべて順調、、、といきたいところでしたが、またしても問題が起こりました。とえあえず、<7.11事件>としておきましょう。しばらく、対外的な仕事をお休みし、自分の研究に集中します。 今月末に長男も戻ってきます。3ヶ月ぶりに、家族がそろいます。 2011/7/11(月) GCOEコホートユニットの成松先生が企画されている大学院コース特別講義の講師として、産総研の成松久先生とTMI法律事務所の小林綾子先生をそれぞれお招きしました。成松久先生からは、今後の腫瘍マーカー開発の課題も提示して頂き、非常に勉強になりました。小林先生には、特許の基本から解説をして頂き、研究者として知るべき最低限の特許の知識を教えて頂きました。両先生のご講演をビデオに収録させて頂いております。今後の大学院講義にも使用させて頂きたいと思っておりますが、ご興味のある方はご連絡下さい。(ラボ内での視聴のみということでお約束しておりますので、申し訳ございませんが、貸し出しはできません。) さて、研究の方ですが、昨年苦労して立ち上げたfusionの系は、大学院生の辻本先生や近くのラボの先生方が順調に進めて下さっています。昨年末に1例目が成功してから、すべてのfusionが成功しています。最近は、技術補佐員の斎藤さんがラボに加入し、培養スペースの床掃除やゴミ掃除も毎日行って下さっており、また、私自身もインキュベーター内の掃除を細かく行っていることもあり、コンタミのようなことも起こっていません。昨年度末に取り付けた、簡易のUV管3本も効いていると思っています。 ようやく系も安定してきましたので、私自身も目的の糖タンパク質を精製するために、発現株を大量培養しております。糖タンパク質を精製し、これを免疫するまでには半年近くかかりますし、スクリーニングもかなり大変だと予想されますので、残りの1年9ヶ月の任期の間にどこまで進められるか不安ですが、一生のテーマと思ってがんばっていきたいと思っています。まだまだ、抗体作製という”研究”を研究者がやる仕事ではない(すなわち”研究”ではない)というご意見を持っている先生方が多くいらっしゃいますが、私自身は全く違うと思っています。自分を信じてがんばっていこうと思っています。 2011/6/16(木) 息子は無事退院しました。4月1日から2ヶ月半の長い入院生活もようやく終えることができ、とても嬉しく思っています。入院中は多くの方々にご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。今後もしばらくは自宅での治療が続きます。 仕事も少しずつですが、再開しています。新たに技術補佐員の斉藤さんをラボに迎え、新体制でラボ運営を行います。今後もよろしくお願い致します。 2011/5/25(水) SMab-1抗体の分譲のリクエストも海外から増えてきました。しばらく忙しくて放置していましたが、本日何とかすべての依頼者にFedexで発送しました。日本人は遠慮がちなのか、いつも海外の研究者からの依頼の方が多い傾向にあります。という私も、分譲の経験はたくさんありますが、分譲依頼をしたことはありません。。。海外で(もちろん日本でも)SMab-1を有効に使って頂くことを願っております。 2011/5/15(日) 予定していた日本がん転移学会、日本がん分子標的学会での発表(今回は両方とも口頭発表に選ばれました)は不可能となりました。共同発表者に代わりに発表して頂くことになると思います。日本癌学会はまだ抄録を出していませんでしたが、これも無理そうです。 大学院生の先生も培養技術を取得されましたので、重要な戦力となっています。みなさんの力を借りながら、研究の勢いを止めないように努力したいと思っております。 抗IDH1抗体の分譲依頼も海外から殺到しており、いよいよ、Fedexを使って発送を開始しました。保留にしていると、どんどん溜まってきますので、次々に送っていこうと思います。私たちの開発した抗体が世界で使われることは非常に嬉しいことであります。近々、販売予定となっていますが、それまでは自力で分譲を続けます。販売まで待てない先生方にはいつでも精製抗体を分譲致しますので、ご連絡ください。 2011/5/9(月) 今日から大学の講義が始まりました。学生さんたちも表情が変わってきました。 本日、共同研究者の先生から嬉しい知らせがありました。分担研究者に入れて頂いていた科研費(萌芽)が採択されたそうです。今年は合計で3つ新規採択があり、継続と合わせると4件になりました。今年こそは、研究らしい研究ができそうです。 2011/5/3(火) 昨日、大学のホームページに科研費の新規採択の発表がありました。大変嬉しいことに、加藤、金子の両方のテーマが採択されました。最近は暗い話題が続いていただけに、少し元気になりました。今日は休日にも関わらず、学生2人が働いてくれています。若い力を感じます。 2011/5/2(月) 今月から学生さんたちも授業や実習が始まり、ラボにもなかなか来られなくなります。今月はラボは静かになりそうです。 抗体の分譲の依頼もたまっており、なかなか送る時間がありません。共同研究者の先生方にはご迷惑をおかけし申し訳ございません。もうしばらくお待ちくださるようにお願い致します。 2011/4/16(土) (病室から) 皆様には、いろいろとご心配、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。この日記を見てメールを下さった方々には感謝致します。丁寧にお返事することができず、申し訳なく思っております。 ラボでは、2年生になった2人の学生(柳谷、森田)がとても良く働いてくれていますので、研究は進んでいます。最近では、大学院生並みの働きですので、ラボにとって大きな戦力となっています。彼らがいなければ、ほとんどの仕事が止まっていたと思います。来月からは授業が忙しくなりますが、今後も顔をだしてもらいたいと思っています。 また、大学院生として、辻本先生がラボに合流しました。社会人入学ということで、本来は6時以降に私が毎日一緒に仕事をする予定でしたが、このような事態となり、水曜日の午後と土曜日に実験を一緒にやってもらっています。まずはラボに慣れて頂きたいと思っています。 2011/4/3(日) ラボを立ち上げ、二年目が始まりました。震災後の処理も終わり、勢い良く仕事を進める、、という矢先でした。。。息子が長期入院となり、しばらくラボの仕事をペースダウンします。共同研究者の先生方にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承ください。 しばらく、本日記も中断します。 2011/3/28(月) 今日から車通勤を再開しました。土曜日にガソリンを入れるのに4時間並びました。 さて、今日は6回目のfusionのスクリーニングを行いました。あまり高反応性のwellはありませんでしたが、5well選びました。明日の再現性実験が重要です。7回目のfusionについても順調です。先日樹立したHMab-1, SMab-2は拡大培養に入っています。 また、NZ-1シリーズの拡大培養も開始しました。ひとつは、NZ-1のF(ab')2の遺伝子のみを導入したCHO細胞株、もうひとつは、NZ-1 のヒトキメラ型抗体を発現するCHO細胞株です。これらの抗体は、いよいよ今年の論文や学会発表でデビューします。すでに特許出願していますが、今月末に公開となります。出願から1年半、ようやくデビュー、といった感じです。 2011/3/22(火) 6回目のfusionの4日目ですが、コロニーができ始めています。P3U1も全滅しているようですので、HATの効きも良いようです。まだコロニーの可視化が無理ですが、コロニーが予定通りに増殖すれば、来週月曜日のスクリーニング(10日目)という予定です。 また、IDH1-R132Hに対する新規の抗体としてHMab-1、IDH1-R132Sに対する新規抗体としてSMab-2を樹立しました。IDH1-R132HやIDH1-R132Sに対する抗体(それぞれIMab-1とSMab-1)については、すでに論文で報告済みですので、これらの抗体の利用法については検討中です。 2011/3/18(金) fusionを再開しました。前回の6回目のfusionはうまくいきましたが、スクリーニングの結果、目的のクローンは取れませんでした。同じ抗原を5匹に免疫していますので、今日は、その2匹目です。fusionとしては7回目になります。今回から、今月から稼働している新しいインキュベーターを使います。 震災から1週間経ちました。しばらくは厳しい環境での実験になりますが、がんばります。 2011/3/17(木) 本日、4月中の医学部におけるすべての授業や行事が中止となることが正式に決まりました。学生さんたちもいろいろと不安だと思いますが、がんばってください。私たち職員もがんばります。地元に帰っている学生さんたちは、5月からの再スタートまでご父兄と一緒にゆっくりと過ごして下さい。 私たちも、ラボ生活だけでなく普段の生活もいろいろと制限されていますが、被災地のことを考えると贅沢なことを言えません。ラボの電気も最低限だけ付けて過ごしています。明日で我が家の車のガソリンも空になりますので、連休明けからはバスと徒歩で大学に通います。今日は大雪でしたが、少しでも天気が良くなることを祈ります。 2011/3/16(水) 大きな余震は一回ありました。ラボの棚の上に置いていた箱類はすべて床に降ろしました。 毎回の余震でCO2インキュベーターの水がこぼれますが、今のところ、細胞にはダメージが起きていません。 2011/3/14(月) 皆様には心配をおかけしておりますが、ラボは無事です。まだ余震は続きますが、ラボで待機しています。 2011/3/11(金) 東北地方に大地震が発生しました。停電も長く続きましたが、ラボは数時間で非常電源が通り、細胞などは何とか無事でした。 狭い培養スペースで細胞を遠心していたら、突然、震度5の地震、停電と続きました。今晩は、家族をラボで待機させ、朝を待ちます。 2011/3/7(月) 6回目のfusionのfirst screeningを行いました。ハイブリドーマは全wellに入っていましたが、目的の蛋白質特異的に反応しているwellはわずかでした。そのうちの2 wellについては再現性が取れましたので、すぐにClonaCell-HYを使ってクローニングに入りました。残りは24 well plateに植え継ぎましたが、この培養上清で再現性が取れるかどうかがポイントです。(これまでの経験で、24 well plateに植えついだ段階で再現性が取れないと、クローニングもうまくいきません。)これまでの抗体はほとんど1匹目で取れていましたので、今回も一匹目ということで期待していますが、まだ4匹免疫しています。焦らずにじっくりとスクリーニングを続けます。 2011/3/2(水) 先週末に行った6回目のfusionから4日目ですが、fusion効率は完璧です。最初の数回のfusionでは、ドキドキしながらプレートを観察していましたが、最近は気軽に顕微鏡を覗けるようになりました。 今回の抗原免疫は、3回の免疫を3週間以内に行ったものですので、かなり短期免疫です。これまで、1匹目のfusionで抗体が取得できていることから、この一連の抗原については短期免疫が良いのではないかと考えています。この法則が当てはまれば、残りの抗原に対する抗体取得もスムーズにいくかもしれません。抗原によって免疫法をすべて変えなくてはなりませんので、やはり、良い抗体は外注では決して取れないと信じています。 ところが、それを理解していない先生方(特に偉い先生方)が多く、研究費の申請の却下理由として、<抗体作製を中心とした単なる手法の提案である>などの理解のない評価が来ます。抗体は買えば良い、売ってなければ外注で作れば良い、といった考えが一般的にあるようですが、我々が開発している抗体は、決して外注では作れないと思っています。もちろん、これらの抗体が市販されれば、買えるわけですが。。。 2011/3/1 (火) 3月になりました。早いです。今年度もあと1ヶ月となり、ラボの一周年が近づいてきました。 本日、IDH1-R132S 抗体の論文がPubMedに掲載されました。これまでに、他のラボからIDH1-R132S 抗体の樹立の論文は一切ありませんので、なんとか世界で最初にIDH1-R132S 抗体を樹立したことが確定しました。ポドプラニン抗体もD2-40に負け、IDH1-R132H抗体もH09に僅差で負けましたので、今回の成果を出せたことは非常に嬉しいです。impactは低いですが、この一歩は私にとってもラボにとっても大きな一歩です。 2011/2/26(土) 今日は入学試験の2日目。OD値を測りに共通実験室に行く途中に、入学試験中の学生とすれ違いました。会釈をするその表情は当然緊張ぎみですが、少し大人の顔も見られました。きっと社会人を辞めて、新たな希望をもって医師を目指しているのだろう。私も製薬会社を辞め、ちょうどこの日に医師を目指して山形大学を初めて訪れました。今でも、面接官の顔や質問内容が思い出されます。 あれから12年。初めて山形の地に立ったときの緊張感を忘れないようにしたいと思っています。 2011/2/25(金) 本日、SMab-1の論文がBBRCのon lineに掲載されました。競合しているドイツのグループからはまだ報告が出ていませんので、今回は何とか先に発表できました。(R132Hの時は、2日間負けました。)次々にいきたいと思います。 2011/2/23(水) 昨日は、5回目のfusionのスクリーニングを行いました。fusion効率も良かったためか、特異性の高いwellを9つ選択できました。24 wellに植え継ぎましたので、再現性が取れるかどうかがポイントになります。 SMab-1 (YM-16)の精製も順調に進みました。500mlのCD medium培養のflow throughを2回かけ、lot2, lot3としましたが、本日その活性が確認できました。合計で5mg以上は取れましたので、分譲用には十分です。まだ取れそうですので、明日来る学生さんと一緒に、4回目の精製をします。 2011/2/18(土) 一昨日にBBRCに投稿した論文がアクセプトされました。ずっとYM-16と仮の名前で呼んでいましたが、正式名はSMab-1です。IDH1-R132Sに対する新規抗体です。IMab-1(R132Hに対する抗体)と一緒に、是非使って頂きたいと思っております。共著の先生方、いろいろとご協力ありがとうございました。今後もがんばります。 2011/2/18(土) Fusion5回目の9日目ですが、すべてのwellにコロニーが目視できます。今回は、1匹のマウスに集中したためか、fusion効率も高いようです。培養スペースにUVランプを3本付けて夜間にUV照射していますので、コンタミ対策も進んでいます。次に購入予定のインキュベーターには、中にUVランプが付いていますので、さらに安心です。お借りしているインキュベーターも合わせると合計3台になり、これで拡大培養も十分にできます。 先日共同研究者から頂いた吸光光度計(20年もの)の内蔵リチウム電池が切れたようで、メーカーに問い合わせると、作業費も合わせ2万5千円と恐ろしい値段を言われました。電池自体は数千円です。今は予算がないので、このまま廃棄処分かもしれません。ようやくラボ内でOD測定ができるようになって喜んでいたのですが、また、共通機器室まで測りにいく日々です。タンパク精製の際、elutionのfractionをOD280で測りつつ、どこまでfactionを取るかreal timeで考えているのですが、往復10分かかって1サンプルずつ測るわけにはいかず、20−30フラクション取ってから測りに行っています。次の策を考え中です。 2011/2/17(金) YM-16の精製の2回目を行いました。昨日の500mlのflow through画分を再度カラムにかけました。予想通り、前回同様の収量がありました。もう一回、カラムにかける必要がありそうです。カラム操作も軌道に乗ってきました。 2011/2/16(木) YM-16の論文を投稿しました。チームの仕事として、初めての論文です。チームを立ち上げて10ヶ月目でようやく論文まで到達しました。いろいろと支えて下さった先生方に感謝致します。 また、YM-16の精製にも成功しました。これで、免疫、ハイブリドーマの樹立、抗体精製と、すべてin houseでできます。苦労しましたが、これも貴重な経験となりました。 2011/2/16(火) YM-16の精製を試みました。今回は、InvitrogenのCD Hybridomaを用いました。前回はInvitrogenのSFM-Hybridomaを用いて培養しましたが、なぜかProtein Gカラムで精製できなかったためです。原因究明の時間がないため(競合グループがあるため、かなり急いでいます)、まずは他の抗体で成功例のあるCD Hybridomaを用いて培養し、Protein G精製へと進みました。 通常と違うelutionパターン(いつもは、2−5fractionぐらいにすべて溶出される)でしたが、30フラクションまでとり、何とかカラムからすべて溶出することができました。あとは濃縮するだけと、今回もセントリコン-100を用いて濃縮を試みました。しかし、濃縮フラクションの吸光度を測定すると、全く濃縮されていません。(またしてもトラブル発生。)念のためにflow throughフラクションを取っていましたので、それをセントリコン−50を使って再濃縮してみました。その結果、見事に濃縮に成功しました。この濃縮液に、しっかり抗体(YMー16)が入っているかどうかは、明日のSDS-PAGEとELISAで確認です。 セントリコン−100が駄目になっていたのか、通常は濃縮されるはずの抗体(150kDa)が濃縮できなかった理由がわかりません。今回はflow throughフラクションをしっかり保管していたことが、成功に繋がりました。念には念を入れることの重要性を再認識しました。 まだ、精製/濃縮したタンパク質が抗体であると証明できたわけではありませんので、気を抜かずに続けます。よって、最初の培養上清500 mlも念のためにNaN3を入れて、4度で保管してあります。最初のカラムに結合していないのであれば、その培養上清のflow throughに残っているはずです。しかし、このようにすべてのフラクションを残していると、冷蔵庫がすぐにいっぱいになってしまうのが悩みです。我々のラボは低温室もなく(どこかに使わせてくれるラボはあるのでしょうか?)、保管場所にはいつも困っています。いろいろと工夫が必要です。 精製の過程で、Elution bufferのpHがまずいのか、培地が悪いのか、ProteinGが古いのか、オープンカラムが汚いのか、それともそもそも腕が悪いのか、等々、いろいろ原因を考えていましたが、何とかひとつめの抗体の精製がうまくいきそうでほっとしています。これがうまくいけば、本研究チームで、抗原免疫から抗体精製まですべて一連の作業がうまくいくことを実証したことになります。この条件を、これから2年間維持したいと思います。 2011/2/11(金) 昨日のIHCの結果に続き、学内の共同研究者にYM-16のICCを依頼しました。IHCできれいな結果が得られていましたので、ICCにも大きな期待をしていました。休日にも関わらず実験をして頂きましたが、夕方に素晴らしい結果を見せて頂きました。感激です。 私はと言えば、休日の静かなラボで朝から論文作成に集中し、今回は1日で仕上げました。来週には予定通り投稿したいと思っています。 2011/2/10(木) YM-16のIHCの結果が共同研究者から来ました。すばらしい結果です。帰国後の最初の抗体ということもあり、とても嬉しいです。この調子でがんばりたいと思います。 YM-16を、CD hybridomaで培養開始です。1週間後に回収し、いよいよ精製です。 2011/2/9(水) これまで、抗体のサブクラスのチェックにはロッシュのサブクラス決定キットを使っていましたが、1回に3000円ととても高いのが悩みでした。しかし、感度や特異度がとても良く、信頼性も高いという素晴らしいキットです。 今回、何とかELISAでサブクラスを決定したいと思い、サブクラス特異的二次抗体を使って条件検討を始めました。まだ不十分ですが、何とかELISAでも結果が出せそうな雰囲気です。しばらくはキットのお世話にもなりますが、そのうちELISAで完璧にサブクラスを決定できるようになると思います。これを使えば、100円程度でサブクラスを決めることができ経済的です。 2011/2/8(火) 今日は、YM-16を25枚の10 cm dishに植え継ぎました。これがコンフルエントになり次第、いよいよCD-hybridomaを使って培養開始です。今回こそは精製に成功することを祈っています。 2011/2/7(月) そろそろ、スクリーニングの再現性実験が終わりに近づいてきました。今日は、5つのwellの再現性が取れました(ELISAの反応性は低いのですが、特異性は高いです)ので、ClonaCell法によりクローニングに入りました。なんとか今回のシリーズから、ひとつでもクローンを取りたいものです。 2011/2/6(土) YM-16の免疫染色の結果について、共同研究者から連絡がありました。首を長くして待っていました。その染色写真を見ると、あれ?組織型が考えていたものと違います。もしかして、、と思って私の指示のメモを見直すと、なんと私の指示出しが間違っていました。1文字違いで違う切片の染色を依頼していたのです。その組み合わせは染まるはずのないものでした(その切片にはYM-16の抗原陰性であることが遺伝子検査でわかっていました)ので、結果は当然ネガティブです(もし染まったら、それはバックグラウンドというわけです)。病理の知識があったおかげで、違う組織型の切片であることにすぐ気付いたのですが、指示出しを間違えていたとは言い訳ができないミスです。気を引き締め直します。 共同研究者の先生にはとても申し訳なく思っていますが、次の正しい切片を使っての染色結果に期待しています。 2011/2/5 今日は私の誕生日。まだ若手Bに申請できる年齢ではありますが、いつの間にか年をとった感じがします。宮崎大学でお会いした先生の中に、私と全く同じ誕生日の先生がいらっしゃいました。これまでの人生で、全く同じ誕生日の方とお会いしたことはなかった(その先生も同じことを仰っていました)ので、驚きでした。 さて、今日は先日のfusionでできたハイブリドーマの植え継ぎの続きを行いました。まだ、目的の反応性を示すものができていません。そろそろ反応性のチェックも終わりそうで、気持ちを次ぎのfusionに切り替えているとことです。 昨日、新しいペプチドが2種類到着し、来週から新しい免疫も開始します。現在、4種類の抗原を免疫していますので、2種類の追加で合計6種類になってしまいます。一人でこれを進めるのは限界にきています。大学院生の入学が待ち遠しいです。 2011/2/4 宮崎出張から無事戻りました。火山灰の影響でフライトが心配でしたが、運良く私の便は通常運行でした。欠航が多く、その方々は鹿児島までバスで移動されていて大変そうでした。 宮崎大学では、とても有意義な議論ができました。やはり、直接お会いして議論することの大切さを痛感しました。 来週からは、再びfusionを再開します。今年度も残すところあと2ヶ月。何とか追加の論文を出したいと思っています。 2011/2/2 今日は午後から東京方面に出張のため、午前中にELISAを終了させました。最近は、独自の短縮プロトコールでELISAを行っているため、2時間以内にELISAが終わります。もちろん、plate washerを使うことが必須です。 plate washerについて、<一枚のELISAだから手作業で洗えば良いのでは?>と聞かれることがあります。これは全くの間違いです。私がwasherを使用するのは、(1)手作業よりも早い、(2)手作業よりも格段にきれいに洗えるためデータの精度が高い、という2つの理由があります。私のプロトコールでは、一切バックグラウンドがありません。発色後一晩そのままにしておいても(蒸発しないようにラップをかければ)、次の日までシグナルが安定して測れますし、バックグラウンドはほぼゼロです。 私も学部生(薬学時代)の際はELISAに苦労しました。再現性が取れなかったり、バックグラウンドがすぐに高くなって、プレートごとの差が大きくなるのです。それを解決するために、何度もプロトコールを改変しました。あれから16年程経ちますが、今でもそのときの苦労を思い出します。 まだ始めていませんが、近々、ホームページの中に独自のプロトコール集を作る予定です。これは先日、山形大学でご講演頂いた加藤茂明教授(東大分生研)からお聞きしたのですが、ラボのプロトコールをホームページで公表されています。そのラボでしか再現できないような実験というのはおかしいわけですし、確かに仰る通りだと思いました。 また最近、私のホームページをご覧になる先生方や学生さんから、様々な質問を頂くようになりました。特に、ポドプラニン関連の質問が多いのですが、可能な限りの回答をさせて頂いております。このような反応があるのはとても嬉しいことです。IDH1関連では、私が樹立したIMab-1のリクエストも増えました。不思議なことに、Duke大学で2009年に発表してから帰国するまで、日本人の先生からのリクエストは全くなかったのですが、帰国後にホームページや学会で宣伝を繰り返し、ようやくリクエストが始まりました。今では10施設以上で使って頂いており、良好な反応性が得られていると評価を頂いております。 さて、今日のELISAですが、Fusion3、4回目のpositive cloneについて、いよいよ後半戦になっています。今日も残念ながら、YM-16を超えるものがありませんでした。これまでの傾向で、最初に取れたチャンピオン抗体(YM-1、NZ-1、IMab-1、GMba-1、YM-16(これについては未発表のため名前は言えませんが○○-1)などなど)を超えるものがあまりないのです。この理由についても、現在考察中で、少し理由がわかってきています。 新幹線の中でいろいろ研究のことをあれこれ考えるのも楽しいものです。隣の会社員たちはお昼から居酒屋状態です。。。 2011/2/1 あっという間に2月になりました。YM-16のクローン化が終わり、大量培養に入っています。今回からはCD-hybridomaを使って培養をします。以前のIMab-1やGMab-1はすべてこれでうまくいきました。 Fusion3、4回目のpositive cloneについて再現性の実験を進めていますが、先行しているYM-16やYM-9を超える反応性のものがありません。引き続きがんばります。 次の抗原を昨日から免疫を開始しました。約6週齢のマウス5匹に100ugずつ初回免疫を行いました。アジュバントはこれまで同様に、ImjectAlumを使用しました。YM-12と同じ抗原ですが、YM-12はペプチドのみに反応したため、今回はしっかりとタンパク質に反応性を示す抗体の取得を目指します。 2011/1/26 Fusion4回目のfirst screeningを何とか終わらせました。2つの抗原のうちのひとつは、YM-16と同じ抗原ですが、今回も、こちらの方は多く取れています。もう一方の抗原については、ファミリー遺伝子であるにもかかわらず、陽性が少ないという結果でした。ハイブリドーマの数はほぼ同じでしたので、抗原の違いであると言えます。合計で81 well分を24 well plateに植え継ぎました。明日から東京出張なので、土曜日に再現性を見る予定です。何とか、IHCやWBに有用な抗体の樹立までいきたいものです。 今回のELISAでは、各ステップの反応時間が長く、バックグラウンドがとても高いという困った結果でした。やはり、スクリーニングは30分法(各ステップを30分、37度)で行うのがベストです。 2011/1/25 今日は、Fusion3回目の2つの抗原のうちの2つ目の抗原についてスクリーニングを行いました。1つ目の抗原と同様に、全体的なELISAの反応性が悪く、YM-16のfirst screeningのような切れ味がありませんでした。しかし、最初の選択方針に従い、5well を選択し24 well plateに植え継ぎました。 通常は30分プロトコールを行いますが、明日はFusion4回目の2つの抗原に対するELISAを一度に行う(ELISA plate 20枚)ため、今日からplateの固相化を行いました。O/Nでblockingです。これまで使っていたSuperBlockが尽きたため、今後は1%BSA in PBS-0.05% Tween20を用いてblockingです。明日は、午前の授業と夕方のミーティングがありハードですが、なんとか最後までやりたいと思います。 2011/1/24 今日は、ClonaCell-HYを使ったYM-16のクローニングアッセイを行いました。96個中、5個が陽性となり、そのひとつのサブクラスを調べたところ(ロッシュのサブクラス決定キットを使用)、IgG1, κと判明しました。クローニング前では、IgMも混ざっていましたが、これで完全なクローンです。いよいよYM-16の樹立に向けて進んでいます。 Fusion3回目の2つの抗原のうちの一つの抗原について、今日はスクリーニングを行いました。YM-16と同じファミリーのタンパク質なのですが、今回はあまり強い陽性wellはありませんでした。Fusion2回目の時よりも、fusionの効率が低かったのも原因かもしれません。とりあえず、今日は10wellを24 well plateに移しましたので、confluentになり次第、再現性を取る予定です。明日からも引き続きスクリーニングです。 2011/1/21 YM-16を用いた免疫染色の検討を共同研究者に行ってもらっていましたが、残念ながら、non-specificの反応が多く、現状では使えそうもないことがわかりました。YM-16はまだクローニング前ですので、まだまだ諦めていません。WesternやELISAで特異性の高い抗体ですので、引き続き、クローニングおよび精製の作業を続けます。 2011/1/21 YM-16の精製がうまくいきませんでした。これからトラブルシューティングに入ります。培地中には抗体が大量に産生されていることをELISAで確認済みですので、カラム操作の問題です。ProteinGは少し古いものですのが、他のFcキメラタンパクの精製では問題ありませんでした。 以前、培地によっては、抗体(あるいはFcキメラタンパク)を全くProteinGに結合させないものがありました。YM-16を別のSFMで培養して、再度、精製を試みようと思います。ちなみに、今回はGIBCOのHybridoma-SFMを使っています。 2011/1/21 fusionの経過:100ulの培地を交換しました。このまま週末を超え、月曜日か火曜日にスクリーニングの開始です。semi-confluentのタイミングを狙います。今回は、抗原である各ペプチドだけでなく、大腸菌の発現タンパク質(MBPタグ)をfirst screeningに用います。 また、ClonaCell-HYを使ったクローニングも行っています。今回は、先月樹立した新規抗体のクローニングです。今日はコロニーを96個拾いました。コロニーを拾いやすいように、ミラー法(鏡を使ってコロニーを浮き上がらせる)を使っています。アメリカで独自に開発した方法です。最終的には、Clona-Cell法を用いて、HAT selectionを行いたいと思っています。ただし、これは予算がかかります。 さらに、先月樹立した抗体YM-16(YMのNo.は、当チームの整理番号です)の精製も開始していています。SFMとして、GIBCOのHybridoma-SFMを使っていますが、これがうまく使えるようになれば、かなり安価に培養ができます。粉から自分でSFMを作れば、500mlを900円程で作れます。FBSも必要ありませんので、値段が安いだけでなく、再現性も取りやすくなります。 2011/1/20 昨日で、私の担当分の8コマの授業(生化学;1年生)が終了しました。講義の感想を書いてもらいましたが、みなさん、とても良く評価してくれました。来年もがんばりたいと思います。学生さんからの逆評価をもらうのは初めての経験でしたが、やはりお世辞でも褒められると嬉しいものです。今日も、ひとりの学生さんがラボ見学に来てくれましたが、これで合計9名(そのうち、2名はラボメンバーとして働いてくれています)です。 さて、fusionの実験の方ですが、細胞も少しずつ増えてきています。3回目のfusion、4回目のfusionともに、とても順調です。これまでの流れの通り、3回目のfusionの方が調子が良いのは変わりません。4種類の抗原に対して平行して行っていますが、合計16枚の96 well plateすべてに、100ul/wellの培地(1xHT/5% BriClone/ P/S /10% FBS/RPMI)を加えました。最初はクローニングメディウム100ulずつですので、合計で200ulの培地になります。当然、アミノプテリンは半分の濃度になりますが、HTを入れてありますので、HTの濃度は変わりません。first screeningまでにHT培地に馴化させるのが、私の方法です。スクリーニングのあとは、完全にHT培地で培養できます。 月曜日に100ulの培地交換を行い、semi-confluentになった時点で、first screeningを行う予定です。来週は忙しくなりそうです。 2011/1/19 3回目のfusionのHAT selectionの6日目です。コロニーは大きくなってきました。可視化できます。来週の月曜日頃にスクリーニング予定です。 前回のスクリーニングの前に行ったように、2回程、medium changeを行う予定です。このタイミングは、日数で決めるのではなく、毎回、コロニーの大きさや培地の色などで判断します。この操作は、現在生えているハイブリドーマから産生される抗体のみをスクリーニングで検出するためです。この操作を行わないと、スクリーニングのELISAで高値を示したのに、クローニングがうまくいかない(すでに抗体産生細胞が死滅しているため)ことの最も大きな理由となります。今回は、7日目に一回目のmedium change、9日目(日曜日)に二回目のmedium changeというような予定です。 現在のHAT selectionでは、クローニングメディウム(三光純薬)を使用していますが、medium changeからは、HT入りの通常のRPMIにレベルを落とします。クローニングメディウムを使うのは最初のHAT selecitonまでとし、予算を節約しています。これまでの経験で、最初のfusionおよびHAT selectionをクリアーすれば、通常の培地でも問題なく増殖しています。クローニングメディウムは名前の通り、single cell cloningにも有用ですが、このHAT selectionでは威力を発揮します。コロニーに出現率が格段に良くなっています。前回の比較では、通常の培地と比べて、5-10倍のコロニーの出現率でした。 4回目のfusionのHAT selectionについては5日目です。ようやくコロニーが見え始めました。融合しなかったP3U1はほぼ死滅しています。前回よりも2日程、HATの効きが遅かったですが、これは誤差範囲です。 これで、4回連続で、このラボでのfusionが成功していることになります。まだまだ検討事項はありますが、とりあえずは、長いトンネルから出てきたという感じです。この”技”を、来年度入学する大学院生たちに伝授していきたいと思っています。 2011/1/18 3回目のfusionのHAT selectionの5日目です。コロニーがすべてのwellで確認できます。2種類の抗原に対して行っていますが、両方うまくいっています。 また、4回目のfuisionのHAT selectionの4日目ですが、こちらに関しては、まだコロニーの出現がはっきりしません。P3U1もまだかなり生き残っています。いくつかのwellには大きいコロニーが見えますので、数日以内にコロニーがはっきりしてくることを期待しています。3回目と4回目の違いですが、3回目は先週木曜日の午前中に実験を行いましたが、4回目は先週金曜日の夕方に実験を行いました(いろんな雑用が入ってしまい、予定していた午前の実験が夕方まで延びました)。また、4回目については、2匹ずつ合計4匹を同時に行い、解剖に時間がかかっています。P3U1の数も少なかったような気がします。 先週はこの4種類の抗原に対するfusionを一気にやりましたので、来週はfirst scereeningがとても大変になります。通常は、ひとつずつfusionを行うのですが、今回はfusionの再現性を見るためにこのように一気にやりました。来週のスクリーニングの結果が待ち遠しいです。 2011/1/17 3回目のfusionのHAT selectionの4日目です。コロニーの出現が見られました。2回目のfusionと同じ条件で行ったのですが、完璧だった2回目と比べ、コロニー数が少ないような印象があります。これがfusionの難しいところです。しかし、昨年は一個もコロニーが生えてこなかった時期が続きましたので、これで一安心です。あとは、fusion効率を上げる努力をする必要があります。0%を10%や20%にするのは至難の業ですが、20%を50%にするのは難しいことではありません。 4回目のfusionに関してはHAT selecition3日目ですが、まだP3U1細胞が死滅しておらず、これも3回目とは異なります。2日連続で同じ試薬で行った実験なのですが、この違いはどこから来るのでしょうか。P3U1のfusion相手のspleen細胞は、違う個体から来ますので、個体差もあると思います。 2011/1/15 一昨日、昨日と、合計4回のfusionを行いました。これまでの条件検討で、ようやくfusionの条件(山形大学バージョン)が確立しましたので、この方法でしばらく行いたいと考えています。私達のラボは培養室がなく、なんとか培養スペースを清潔に保つため、来週、UVランプを3つ培養スペースに設置します。試行錯誤の連続です。現在のfusionの条件では、かなりの予算(とくに培地)がかかっていますので、徐々に、低予算で同じ結果が得られるような条件に変えていく予定です。 今日、4月からの大学院希望者が面談に来てくれました。とても優秀な医師ですので、ラボの重要な戦力になると期待しています。 2011/1/13 本日、4回目のfusionを行いました。2匹ずつ、2種類の抗原(合計4匹)に対する抗体作製です。来週の結果が楽しみです。 2011/1/13 大腸菌の撹拌培養用のシェーカー(タイテックpersonal-11)が入荷。新品が買えないので、ラボリサイクル(株)の中古品を購入しました。とてもきれいで、3ヶ月の保証もつくので満足です。大腸菌をようやくラボで増やせます。 2011/1/13 本日、三回目のfusionを行いました。これが成功すれば、ハイブリドーマの作製のための環境ができあがったことになります。この数年、石原産業のGenomONE-CFを使っていますが、PEG法と異なり簡便で、非常に再現性が良いです。 2011/1/12 昨年はラボの立ち上げでとても苦労しましたが、周囲の先生方の温かい励ましのおかげで何とかここまで来ました。また、共同研究者の先生方から、多くの機器などもお借りしています。 我々のラボは、抗体を作製することを武器としているのですが、その最も大切なハイブリドーマの作製がうまくいかない時期が半年程続きました。その間、多くの先生方から助言を頂き、また技術的にも協力して頂き、年末年始にかけて最初のハイブリドーマを作製しました。fusionの効率がとても良くなりました。ハイブリドーマの作製において、fusion(細胞融合)のステップはとても繊細であり、わずかな条件の違いによって、ハイブリドーマの出現頻度が下がります。恐ろしいことに、今回は、ハイブリドーマがゼロという状態が続き、どこからトラブルシューティングをしたら良いかわかりませんでした。今回の一連のトラブルシューティングは、今後の財産になると思います。 2011/1/4 *分子腫瘍マーカー研究チームとして、最初の新年を迎えました。今年もよろしくお願い致します。 昨年はラボの立ち上げで精一杯でしたが、今年は次々に新しい”腫瘍マーカー”を開発していこうと意気込んでいます。